イテレーション2 ふりかえり¶
概要¶
期間: 2025年1月16日
イテレーション名: テストカバレッジ向上
目標: テストカバレッジを80%以上に向上させる
成果サマリー¶
主要成果指標¶
指標 | 目標 | 実績 | 達成率 |
---|---|---|---|
テストカバレッジ | 80% | 91.18% | 114% ✅ |
domain/services | - | 98.19% | - |
infrastructure/adapters | - | 99.03% | - |
application/services | - | 72.68% | - |
実施内容¶
- テスト追加・改善
- CollisionServiceテスト: 28個作成(100%カバレッジ)
- PuyoSpawningServiceテスト: 27個拡張(99.5%カバレッジ)
- ChainDetectionServiceテスト: 25個確認(97.77%カバレッジ)
-
関数型ユーティリティのテスト追加
-
品質改善
- 3A手法(Arrange, Act, Assert)によるテスト記述
- 日本語でのテストケース記述
- テストの可読性と保守性向上
KPTふりかえり¶
Keep(良かったこと・継続すること)¶
1. 体系的なアプローチ¶
- カバレッジレポートを分析し、最も低い領域から優先的に対応
- 効果的な優先順位付けにより短時間で大幅改善を達成
2. 高品質なテストコード¶
- 3A手法に準拠した読みやすいテスト
- 日本語による明確なテストケース記述
- 既存のテストパターンを活用した効率的な実装
3. 品質チェックの徹底¶
- コミット前の包括的な品質確認(format, lint, build, test)
- 全テストが通過することを確認してからコミット
4. 目標の大幅超過達成¶
- 目標80%に対して91.18%を達成
- 特に低カバレッジ領域の劇的な改善
Problem(問題点・改善が必要なこと)¶
1. 初期実装での躓き¶
- ChainDetectionServiceで関数名の誤り(createImmutableField → createField)
- FieldAdapterのメソッド名の誤り(addPuyo → setPuyo)
- APIドキュメントやインターフェース定義の確認不足
2. 一部領域のカバレッジ不足¶
- GameApplicationService: 53.73%(複雑なビジネスロジック)
- GameBoard: 70.79%(UIコンポーネント)
- application/ports: 0%(インターフェースのため許容)
3. テスト戦略の文書化不足¶
- どのレベルでどのようなテストを書くべきかのガイドライン不足
- モックとスタブの使い分けの基準が不明確
Try(次に試すこと)¶
1. テスト戦略の明文化¶
- テストピラミッドの定義
- 各層でのテスト方針の文書化
- モック/スタブ使用ガイドライン作成
2. 低カバレッジ領域の改善¶
- GameApplicationServiceのリファクタリングとテスト追加
- UIコンポーネントのテスト戦略見直し
- 統合テストの充実化
3. 継続的な品質監視¶
- カバレッジの自動監視設定
- PRごとのカバレッジチェック
- 品質メトリクスのダッシュボード作成
技術的な学び¶
成功要因¶
- ヘキサゴナルアーキテクチャの恩恵
- 各層が独立してテスト可能
- 依存性注入によるモックの容易さ
-
ビジネスロジックの分離
-
関数型アプローチの効果
- 純粋関数のテストの簡単さ
- 副作用の少ないコード
-
予測可能な振る舞い
-
TypeScriptの型安全性
- コンパイル時のエラー検出
- テスト作成時の補完機能
- リファクタリングの安全性
課題と対策¶
- 複雑なサービスのテスト
- 問題: GameApplicationServiceの複雑な状態管理
-
対策: より小さな単位への分割を検討
-
UIコンポーネントのテスト
- 問題: ReactコンポーネントのDOM操作テスト
- 対策: React Testing Libraryの活用強化
次のステップ¶
短期的改善(次のイテレーション)¶
- テスト戦略ドキュメントの作成
- GameApplicationServiceのリファクタリング
- E2Eテストシナリオの拡充
中期的改善(今後2-3イテレーション)¶
- パフォーマンステストの導入
- ビジュアルリグレッションテスト
- テスト自動化パイプラインの強化
長期的改善(今後のリリース)¶
- AI機能のテスト戦略策定
- 負荷テストフレームワーク導入
- カオスエンジニアリング手法の検討
メトリクス¶
カバレッジ向上の詳細¶
領域 | 改善前 | 改善後 | 改善幅
---------------------------|---------|----------|--------
全体 | 63.91% | 91.18% | +27.27%
domain/services | 37.84% | 98.19% | +60.35%
infrastructure/adapters | 16.9% | 99.03% | +82.13%
application/services | 50.22% | 72.68% | +22.46%
application/di/Container | 42.42% | 95.95% | +53.53%
テストケース統計¶
- 新規作成テスト: 約80件
- 改善されたテスト: 約20件
- 総テストケース数: 403件
- テスト実行時間: 4.58秒
結論¶
イテレーション2は大成功でした。目標の80%を大幅に超える91.18%のテストカバレッジを達成し、コードベースの品質と信頼性が大きく向上しました。
特に、最も低かったdomain/servicesとinfrastructure/adaptersのカバレッジを劇的に改善できたことは、今後の開発において大きな自信となります。
ヘキサゴナルアーキテクチャと関数型プログラミングアプローチの採用が、テストの書きやすさと品質向上に大きく貢献したことが証明されました。
次のイテレーションでは、この高品質なコードベースを維持しながら、新機能の開発に取り組んでいきます。