ビジネスユースケース - 財務会計システム¶
概要¶
本ドキュメントは、財務会計システムのビジネスユースケースを定義します。 ビジネスユースケースは、企業レベルでの業務プロセスを表現し、システムユースケースの上位に位置します。
アクター・目的リスト¶
| アクター | 目的 | レベル | 優先度 | 頻度 |
|---|---|---|---|---|
| 経理担当者 | 日々の取引を仕訳として記録する | ☁️ | 高 | 毎日 |
| 経理担当者 | 元帳・残高を照会する | 🌊 | 高 | 毎日 |
| 経理責任者 | 仕訳を承認・確定する | 🌊 | 高 | 毎日 |
| 経理責任者 | 勘定科目を管理する | 🌊 | 中 | 随時 |
| 経理責任者 | 月次・年次決算を行う | ☁️ | 高 | 月次/年次 |
| 経営者 | 財務状況を把握する | ☁️ | 高 | 随時 |
| 経営者 | 経営判断のための指標を確認する | 🌊 | 高 | 随時 |
| システム管理者 | ユーザーを管理する | 🌊 | 中 | 随時 |
| システム管理者 | 監査ログを確認する | 🌊 | 中 | 随時 |
BUC-001: 🏢日常経理業務を行う☁️¶
使用時のコンテキスト: 経理部門が日々の取引を財務会計システムに記録し、適切な承認プロセスを経て元帳に反映する業務
スコープ: 企業(経理部門)
レベル: 要約
主アクター: 経理担当者
利害関係者と利益:
- 経理担当者: 取引を正確かつ効率的に記録したい
- 経理責任者: 仕訳の正当性を確認し、内部統制を維持したい
- 経営者: 正確な財務データに基づいて経営判断したい
- 税務署: 適正な会計処理が行われていることを確認したい
- 監査法人: 会計記録の証跡を確認したい
事前条件:
- ユーザーがシステムにログインしている
- 必要な勘定科目がマスタに登録されている
- 会計期間が設定されている
最低保証: 入力されたデータは監査ログに記録される
成功時保証: 取引が正確に記録され、元帳に反映される
トリガー: 取引(売上、仕入、経費等)が発生した
主成功シナリオ:
- 経理担当者が取引内容を確認し、証憑書類を準備する
- 経理担当者が仕訳を入力する
- システムが貸借一致を検証する
- 経理担当者が仕訳の承認を申請する
- 経理責任者が仕訳内容を確認する
- 経理責任者が仕訳を承認する
- 経理責任者が仕訳を確定する
- システムが元帳に転記する
- 経理担当者が残高を確認する
拡張:
- 2a. 定型取引の場合:
- 2a1. 経理担当者が自動仕訳設定を選択する
- 2a2. システムが仕訳を自動生成する
- 3a. 貸借が一致しない場合:
- 3a1. システムがエラーを表示する
- 3a2. 経理担当者が金額を修正する
- 6a. 仕訳に問題がある場合:
- 6a1. 経理責任者が差し戻し理由を入力する
- 6a2. 経理責任者が仕訳を差し戻す
- 6a3. 経理担当者が仕訳を修正する(ステップ2へ)
関連情報:
- 関連システムユースケース: UC-JNL-001〜UC-JNL-010, UC-LDG-001〜UC-LDG-003
BUC-002: 🏢月次決算を行う☁️¶
使用時のコンテキスト: 月末に経理部門が当月の財務データを締め、試算表を作成して経営層に報告する業務
スコープ: 企業(経理部門)
レベル: 要約
主アクター: 経理責任者
利害関係者と利益:
- 経理責任者: 月次の財務状況を正確に把握し、報告したい
- 経営者: タイムリーに財務状況を把握し、経営判断に活かしたい
- 管理会計担当: 部門別・プロジェクト別の収支を確認したい
事前条件:
- 当月の全ての仕訳が入力されている
- 前月までの月次締めが完了している
最低保証: 締め処理の実行状況が記録される
成功時保証: 当月の財務データが確定し、試算表が生成される
トリガー: 月末(営業日の最終日)が到来した
主成功シナリオ:
- 経理責任者が当月の仕訳一覧を確認する
- 経理責任者が未承認・未確定の仕訳を処理する
- 経理責任者が決算整理仕訳を入力する
- 経理責任者が月次締め処理を実行する
- システムが残高の整合性を検証する
- システムが試算表を生成する
- 経理責任者が試算表の内容を確認する
- 経営者が財務状況を確認する
拡張:
- 2a. 未処理の仕訳がある場合:
- 2a1. 経理責任者が担当者に処理を指示する
- 2a2. 担当者が仕訳を処理する
- 5a. 残高に不整合がある場合:
- 5a1. システムがエラーを表示する
- 5a2. 経理責任者が原因を調査する
- 5a3. 経理責任者が調整仕訳を入力する(ステップ4へ)
関連情報:
- 関連システムユースケース: UC-LDG-004〜UC-LDG-005, UC-FS-001〜UC-FS-002
BUC-003: 🏢年次決算を行う☁️¶
使用時のコンテキスト: 決算期末に経理部門が年間の財務データを締め、財務諸表を作成する業務
スコープ: 企業(経理部門)
レベル: 要約
主アクター: 経理責任者
利害関係者と利益:
- 経理責任者: 適正な財務諸表を作成し、法定開示義務を果たしたい
- 経営者: 経営成績と財政状態を正確に把握したい
- 株主: 投資判断のための財務情報を得たい
- 税務署: 適正な税務申告が行われることを確認したい
- 監査法人: 財務諸表の適正性を監査したい
事前条件:
- 当期の全ての月次締めが完了している
- 決算整理事項が把握されている
最低保証: 決算処理の実行状況が記録される
成功時保証: 財務諸表(貸借対照表、損益計算書)が生成される
トリガー: 決算期末が到来した
主成功シナリオ:
- 経理責任者が最終月の月次締めを完了する
- 経理責任者が決算整理仕訳(減価償却、引当金等)を入力する
- 経理責任者が年次締め処理を実行する
- システムが貸借対照表を生成する
- システムが損益計算書を生成する
- 経理責任者が財務諸表の内容を確認する
- 経営者が財務諸表を承認する
- 経理責任者が財務諸表を出力する
拡張:
- 6a. 財務諸表に問題がある場合:
- 6a1. 経理責任者が原因を調査する
- 6a2. 経理責任者が修正仕訳を入力する
- 6a3. 経理責任者が年次締めを再実行する(ステップ3へ)
関連情報:
- 関連システムユースケース: UC-FS-001〜UC-FS-003
BUC-004: 🏢財務分析を行う☁️¶
使用時のコンテキスト: 経営者が財務データに基づいて経営判断を行うために、各種財務指標を確認する業務
スコープ: 企業(経営層)
レベル: 要約
主アクター: 経営者
利害関係者と利益:
- 経営者: 客観的な指標に基づいて経営判断を行いたい
- 取締役会: 経営状況を把握し、監督責任を果たしたい
- 株主: 企業価値の向上を確認したい
- 金融機関: 融資判断のための財務情報を得たい
事前条件:
- 分析対象期間の財務データが確定している
- ユーザーが財務諸表の閲覧権限を持っている
最低保証: なし
成功時保証: 財務指標が算出され、分析レポートが表示される
トリガー: 経営者が財務分析を要求した
主成功シナリオ:
- 経営者が分析対象期間を指定する
- システムが財務諸表データを取得する
- システムが各種財務指標を算出する
- システムが分析レポートを表示する
- 経営者が指標の推移を確認する
- 経営者が業界平均との比較を確認する
拡張:
- 4a. グラフ表示が必要な場合:
- 4a1. 経営者がグラフ形式を選択する
- 4a2. システムがグラフを描画する
関連情報:
- 関連システムユースケース: UC-FS-003
- 主要指標: ROE、ROA、流動比率、自己資本比率、売上高利益率
BUC-005: 🏢マスタデータを管理する☁️¶
使用時のコンテキスト: 経理責任者がシステムの基盤となるマスタデータ(勘定科目、自動仕訳設定等)を管理する業務
スコープ: 企業(経理部門)
レベル: 要約
主アクター: 経理責任者
利害関係者と利益:
- 経理責任者: 適切な勘定科目体系を維持し、効率的な仕訳入力を実現したい
- 経理担当者: 適切な勘定科目を選択して正確な仕訳を入力したい
- 監査法人: 勘定科目体系の妥当性を確認したい
事前条件:
- ユーザーがマスタ管理権限を持っている
- システムにログインしている
最低保証: マスタ変更の履歴が監査ログに記録される
成功時保証: マスタデータが適切に更新される
トリガー: 新しい勘定科目の追加や設定変更が必要になった
主成功シナリオ:
- 経理責任者が変更対象のマスタを選択する
- 経理責任者がマスタデータを登録/編集する
- システムがデータの整合性を検証する
- システムがマスタデータを保存する
- システムが変更履歴を記録する
拡張:
- 2a. 勘定科目を登録する場合:
- 2a1. 経理責任者が科目コード、科目名、種別を入力する
- 2a2. システムが科目コードの一意性を検証する
- 2b. 勘定科目構成を設定する場合:
- 2b1. 経理責任者が親子関係を設定する
- 2b2. システムが循環参照がないことを検証する
- 2c. 自動仕訳設定を登録する場合:
- 2c1. 経理責任者が借方科目、貸方科目、デフォルト金額を設定する
- 3a. 整合性エラーがある場合:
- 3a1. システムがエラーを表示する
- 3a2. 経理責任者が入力内容を修正する(ステップ2へ)
関連情報:
- 関連システムユースケース: UC-MST-001〜UC-MST-008
BUC-006: 🏢システムを管理する☁️¶
使用時のコンテキスト: システム管理者がユーザー管理や監査ログの確認など、システム全体の管理業務を行う
スコープ: 企業(情報システム部門)
レベル: 要約
主アクター: システム管理者
利害関係者と利益:
- システム管理者: システムを安定稼働させ、セキュリティを維持したい
- 経理部門: 必要な権限でシステムを利用したい
- 監査法人: アクセス制御と監査証跡を確認したい
- コンプライアンス担当: 内部統制の有効性を確認したい
事前条件:
- ユーザーがシステム管理者権限を持っている
- システムにログインしている
最低保証: 管理操作の履歴が監査ログに記録される
成功時保証: システム管理タスクが完了する
トリガー: ユーザー管理や監査が必要になった
主成功シナリオ:
- システム管理者が管理対象を選択する
- システム管理者が管理操作を実行する
- システムが操作結果を表示する
- システムが操作履歴を記録する
拡張:
- 1a. ユーザー管理の場合:
- 1a1. システム管理者がユーザー一覧を表示する
- 1a2. システム管理者がユーザーの登録/編集/削除を行う
- 1a3. システム管理者がロールを割り当てる
- 1b. 監査ログ確認の場合:
- 1b1. システム管理者が検索条件を指定する
- 1b2. システムが監査ログを表示する
- 1b3. システム管理者がログをダウンロードする
関連情報:
- 関連システムユースケース: UC-AUTH-001〜UC-AUTH-006, UC-SYS-001〜UC-SYS-002
トレーサビリティマトリクス¶
| BUC ID | ビジネスユースケース | 関連システムユースケース |
|---|---|---|
| BUC-001 | 日常経理業務を行う | UC-JNL-001〜010, UC-LDG-001〜003 |
| BUC-002 | 月次決算を行う | UC-LDG-004〜005, UC-FS-001〜002 |
| BUC-003 | 年次決算を行う | UC-FS-001〜003 |
| BUC-004 | 財務分析を行う | UC-FS-003 |
| BUC-005 | マスタデータを管理する | UC-MST-001〜008 |
| BUC-006 | システムを管理する | UC-AUTH-001〜006, UC-SYS-001〜002 |